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公図の信頼性はどのくらい?

質問

私の家と隣家の境界には下の絵のように植え込みがあり、共同で管理しています。 私は植え込みの真ん中が隣家との境界線だと考えていました。ところが最近になって、隣家の人が登記所の公図を根拠に、植え込みは全て隣地に属すると主張しています。
公図を見ると、私の土地と隣地との境界線は、向かいの16番1と16番2の土地の境界から2mほど北にあります。16番1と16番2の土地の境界には ブロック塀と市の境界標があるので、これを基準に計ってみると、確かに植え込みは全部隣家のものだということになります。
しかし、植え込みは私の亡くなったおじいさんが植えたものであり、植え込み部分が全て隣家のものだとも思えません。
隣家の主張が正しいのでしょうか、それとも公図が間違ってるのでしょうか?
 

現況 公図




公図と地図

まず、その"公図"が地図かどうかを確認して下さい。
登記所に備え付けられていて、土地を地番ごとに区画している図面のことを一律に"公図"と呼ぶこともありますが、実は地図と公図(地図に準ずる図面)の2種類があるのです。

  見分け方 特徴
地図 これは地図の写しである」と書かれている
 
もしくは、「分類」欄に「地図(法第14条第1項)」と書かれている
境界線を復元できる精度を有すると、登記所が判断した図面。
きちんと測量をして、その精度が図面に記載されている。
図面を作る際には土地所有者の立会を行ない、境界には杭などの境界標を入れているはず。
公図 これは地図に準ずる図面の写しである」と書かれている
 
もしくは「分類」欄に「地図に準ずる図面」と書かれている
土地の区画に関する資料であるが、境界線を復元できる精度はない。
信頼性や精度は、地域によってさまざまである。

もしその図面が地図であるなら、描かれている境界線は地図作成当時の土地所有者達が立ち会って確認をした線であり、 図面に記載されている精度での測量もされているはずなので、お隣の主張は十分な根拠があると言えるでしょう。
もっとも、地図が間違っていることを証明する資料があるなら、地図の訂正は可能です。土地家屋調査士に相談して下さい。 また、境界線を地図の精度以上に復元したい場合は、地図以外の資料を調査する必要があります。
 

公図(地図に準ずる図面)の精度

もし、公図(地図に準ずる図面)であるなら、その図面の信頼性や精度は地域によって千差万別です。
あなたの地域の公図がどのくらい信頼できるかについては、 国土交通省が「都市部における公図と現況のずれ公表システム」 というページを公開しているので、 これを参考にされると良いと思います。なお、このページによると、公図と現況のずれが1m以上10m未満の「大きなずれのある地域」が平成18年時点で調査地域の49.8%を占めているそうです。
一般的には、縮尺や精度区分の記載がなかったり、「旧土地台帳附属地図」と書かれている公図は現況と大きくずれている事が多いようです。境界に関してこのような公図だけを根拠にお隣の方のような主張をするのは無理があります。
縮尺や精度区分が記載されている公図にはそれなりに信頼性がありますが、基本的に公図には境界復元能力はないとされていますので、いずれにしてもご質問のようなケースでは公図以外の資料も集める必要があると思います。

公図はいいかげんなの?

公図は明治時代の始めから先人が代々苦心して作ってきたものであり、決していい加減に作られた図面ではありません。
しかし現代のような優れた測量機器がない時代に作成された図面も多く、境界を復元できる精度はないと考えられています。また、昭和38年頃までは土地を分筆するときにきちんと測量をした図面を提出する義務がなかったので、 当時の分筆によって公図に書き加えられた境界線はとても精度が悪いのです。このため、古い時期に分筆がなされていて、その頃の公図をそのまま引き継いでいる場合は、 道をへだてた土地の境界線をもとにこちら側の境界を決めるようなことはできません。
しかし公図は、隣地の地番であるとか、土地の形状については相応の根拠があって作られているので、資料的価値は十分あります。

隣地との境界は何を調べれば判りますか

公図(地図に準ずる図面)によって隣地との境界を復元できないなら、何を調べればよいのでしょうか?
その土地についての地積測量図が登記所にあって、作成年が新しいなら(おおむね昭和55年以降)、 地積測量図をもとに境界線を復元できると思います。
新しい地積測量図がなければ、境界線を復元するためにはできるだけ多くの資料を集めなくてはなりません。代表的な資料をあげると、
 ・現地の状況(境界標や構造物、土地の地勢など)
 ・その地域で過去に土地区画整理事業などが行われていれば、その時の図面や測量記録
 ・周辺の地積測量図や建物図面
 ・近隣の官民境界確定図面
 ・耕地整理法や自作農創設特別措置法など昔の法律の施行に際して作られた図面
 ・字切り図・分筆図面など自治体が所有する、境界に関する資料
 ・閉鎖された登記簿や公図
 ・場合によっては、古い航空写真の調査や、その地域の事情をよく知ってる人からの聞き取り調査
境界線を復元するには、これらの資料を総合的に読み解く必要があります。
具体的にどのような資料が必要かは土地家屋調査士にご相談下さい。
 

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