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公開会社の監査役

質問

会社法が施行されたことによって、当社の監査役の権限も変更されたのですか?


回答

会社法が定める監査役には、業務監査権限を有するものと 業務監査権限が無く会計監査権限のみを持つもの の2種類があります。
業務監査権限を有する監査役には、
 ・監査報告書の作成義務
 ・業務執行の監査権
 ・不正行為を取締役会に報告する義務
 ・取締役の行為の差し止め請求権
 ・取締役会への出席義務、意見陳述義務(取締役会議事録への署名等も必要)
 ・株主総会の議案に対する調査報告義務
 ・各種の調査権
 
などの権利や義務があり、任務を怠って会社に損害を与えたときには賠償責任があります。(会社法381-389条,423条他)
 なお、会社法では2種類の監査役があるのですが、会社法における「監査役設置会社」というのは業務監査権限を持つ監査役が置かれている会社だけを指します。(会社法2条9)  ところが、会計監査に限定された監査役しかいない会社であっても、会社の登記事項証明書には「監査役設置会社」と記載されます。このあたり、非常に混乱する所でありますのでご注意下さい。

さて、会社法施行前は、大会社の監査役は業務監査権限を有していましたが、小会社の監査役は業務監査権限を付与されていませんでした。 しかし、会社法施行後は、小会社でも公開会社(会社の登記簿に、株式の譲渡制限を付けていない会社) であれば監査役は業務監査権限を持ち、先述の権利義務を負うこととなりました。(小会社かつ非公開会社の監査役は従来通り業務監査権限を持ちません)

小会社かつ公開会社の監査役は権限に重大な変化が生じ、会社法336条4項3の規定が適用されることとなるので、平成18年5月に任期が一旦満了し新たに監査役を選任する必要がありました。
(この「監査役の退任及び就任による変更の登記」は平成18年11月までに行わなくてはなりませんでしたが、もし現在に至るまで登記をしていないのであれば、会社法に反しています。登記所やお近くの司法書士にご相談下さい。なお、会社法施行後新たな監査役を選任していない場合は「会社法施行日に現に監査役である者」が業務監査の権利義務 を有しています。 )

小会社かつ公開会社では、監査役に重大な責任が加わり、取締役会の出席義務や監査報告書の作成義務などの負担も増えることになりましたが、株式の譲渡に制限を加えて会社を非公開会社とするならば監査役の業務監査権限をはずすことができます。会社を非公開会社とすれば、監査役を廃止したり、取締役会を廃止するなど会社の機関設計の自由度を増すこともできますので、もし株式の上場予定がないならば、会社の機関設計を見直されても良いかも知れません。
 
注:
監査役に業務監査権限を与えない場合は、会社の業務監査の権限のうち、会社法357,367,371,426条その他が定める権限を株主が有することになります。

会社法施行により、大会社であっても非公開会社で監査役会・会計監査人を設置していない会社ならば、監査役の権限を会計監査に限定する定款変更が可能になりました。

非公開会社であれば定款に「監査役は株主に限る」旨を定めることもできます。


(2009.10.21更新)
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