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Q&A どれが権利書なの?

権利書とは、ある不動産について、現在有効な所有権の登記を行った際の登記済証の事を言います。


登記済証とは、登記をした時に「登記済」という文字がある赤いハンコを押されて返却された書類のことです。
登記済証には、枠の中に「受付年月日」と「受付番号」が記載されているものと、番号だけが記載されるものの2種類がありますが、 権利についての登記済証は「受付年月日」と「受付番号」が記載されています。


権利に関する登記
済証のハンコ


権利に関する以外の登記済証のハンコ
(権利書にはならない)

ある不動産の権利書がどれなのかを調べるには、最新の登記事項証明書(登記簿謄本)を法務局で取得して、現在有効な所有権の登記の受付日と受付番号を調べます。この受付日と受付番号が記載された登記済証が権利書ということになります。
1通の権利書が複数の不動産の権利書になることもありますし、逆に一つの不動産に権利書が複数あることもあります。


「現在有効な所有権の登記」といってもピンとこないかと思いますので、具体的な例を挙げて説明しましょう。下のボタンを押すと、登記事項証明書(登記簿謄本)の例が表示されます。


例の表示


登記事項証明書は、【表題部】、【権利部(甲区)】、【権利部(乙区)】、の3つの部分に分かれています。


 表題部には、不動産がある場所やどのような物件であるのかが記載されます。この例の不動産は、A県B市C町12番3の土地に関するものであることががわかります。
 権利部(甲区)には土地の所有権に関する事項が記載されます。この土地の現在の所有者は誰かおわかりになりますか?



権利部(甲区)を見るとこの土地の所有者が次のように変わっていったことがわかります。
 (1)昭和51年8月15日に登記元さんが、この土地を購入した
 (2)平成2年4月1日に登記元さんが亡くなり、登記太郎さんと登記花子さんの
   二人が2分の1づつ相続した
 (3)平成17年2月20日に登記太郎さんが自分の持分を登記花子さんに売却した。
   その結果、登記花子さんがこの土地を一人で所有することになった。


この土地の所有者は登記花子さんであることがわかりました。

さて、登記花子さんは、この土地に関して「登記済」のハンコが押された書類を次の5通お持ちでした。この中で権利書はどれでしょうか?
 (a)昭和50年8月30日受付第777号(12番の土地を分筆して12番3の土地ができた際の登記済証)
 (b)昭和51年8月15日受付第815号
 (c)平成2年10月1日受付第1000号
 (d)平成10年6月1日受付第5555号
 (e)平成17年2月20日受付第2000号


 分筆の登記など、登記の際の受付日と受付番号が登記事項証明書(登記簿謄本)に記載されない登記は権利に関する登記ではありません。(a)の分筆の登記済証は権利書ではありません。
 登記事項証明書を見ると、平成10年6月1日受付第5555号の登記済証は住所を変更した登記の登記済証であることがわかります。所有者の名前や住所の変更は、権利関係が変更されるのではありません。(d)の住所変更の登記は権利に関する登記では無いので権利書ではありません。
 (a)(d)のように権利に関する登記でない登記済証には、受付年月日が記載されないタイプの登記済のハンコが押されます。
 (b)の登記済証は昭和51年8月15日に登記元さんがこの土地を購入した時の登記済証ですが、登記元さんは現在の所有者でないので、現在は権利書ではありません。
 (e)の登記済証は登記花子さんが売買によりこの土地の所有権の2分の1を入手した時の、「現在有効な権利に関する登記」の登記済証ですから、権利書です。
 登記花子さんは(e)の売買の登記だけでこの土地を入手したのではありません。(c)の相続の登記の時に所有権の2分の1を入手しています。ですから(c)の登記済証も「現在有効な権利に関する登記」の登記済証ですから、権利書です。
 (c)と(e)の2つの登記済証を合わせたものがこの土地の権利書ということになります。


 次に、この登記簿の【権利部(乙区)】を見ると、金尾粕夫さんが登記花子さんにお金を融通して、この土地に抵当権を設定しています。金尾粕尾さんが持っている平成17年2月28日受付第2222号の登記済証は抵当権の権利を証する書面ですが、所有権の登記済証ではないので、この土地の権利書ではありません。


 さて、登記花子さんはこの土地を子供に贈与する登記を申請する予定です。登記が完了した後の、権利書はどうなるでしょうか?
 以前でしたら、贈与の登記が完了したら登記済証が発行されて、この登記済証が新たな権利書となりました。

しかし平成17年3月に不動産登記法が改正されて以降、登記所がオンライン申請庁に指定された地域では登記済証が発行されなくなりました。

オンライン申請庁に指定された地域では登記済証の代わりに「登記識別情報」が発行されます。新規に権利書は発行されませんが、今お持ちの権利書はこの次に登記をする時まで所有権を証する書面としての効力を持つので、これまで通り大事に保管してください。
登記識別情報についての説明はこちらをご覧下さい。


 上記の例では、一つの不動産に権利書が2通ありましたが、1回の登記で複数の不動産の所有権を移転すると、1通の権利書が複数の不動産の権利書となります。
 


1通の権利書が、複数の不動産の権利書となる例。2筆の土地を売買した時の売買契約書に登記済印が押された場合、この書面は両方の土地についての権利書になります。また、どちらの土地の登記簿謄本にも同じ受付番号(この場合5000号)が記載されます。


登記事項証明書を見ても権利関係が複雑でよくわからない場合は、お近くの司法書士に問い合わせてみるのも一つの手段です。

 

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