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本人確認手法の変更



 権利の登記が悪意の第三者によってなされることを防止するため、登記所は登記申請が正しい申請人からなされていることをチェックする必要があります。以前の不動産登記法では登記義務者の「印鑑証明書」と「登記済証(権利書)」の2つがそろえば、申請は正しい申請人からされたとみなされ、登記が受け付けられました。
 そして登記が終わって登記権利者に交付される登記済証が、新たな権利書となって次回の登記申請に本人確認書類として使われていました。


 不動産登記法改正後は、登記が終わった後には紙の権利書の代わりにパスワードとしての登記識別情報が発行され、印鑑証明書(電子署名も可)と登記識別情報によって申請人の正当性を確認することになりました。ただし、不動産を管轄する登記所がオンライン指定庁に指定された後初めてする登記では、従前の紙の権利書が申請人の正当性を確認する書面です(下図)。
 なお、登記を代理人に依頼する場合、資格代理人は登記識別情報と印鑑証明書の確認のほか、運転免許証などを使って依頼人の本人確認をすることとなっています。



 権利書が紛失などの理由で提出できない場合には、以前の不動産登記法では本人確認のために保証人の制度が定められていました。この制度では、まず申請人が本人であることを保証する保証人を2人立てた上で、保証人の実印を押した保証書と、保証人の印鑑証明書を登記申請書に添付していました。さらに、登記所から申請人の住所地に郵送される申請の通知書に対して、発送後3週間以内に申請が真実であることの申し出を行って登記が受け付けられていました。


 さて、本人確認として保証人を使う方法では、組織的な犯罪者により不正な登記が行われかねないという問題がありました。そこで新しい不動産登記法では保証人の制度が廃止され、本人確認をより厳格にすることとなりました。
 新しい制度では、権利書や登記識別情報を提出できないときは、まず印鑑証明書(電子署名も可)に加え申請人本人であることを証する書面や情報を登記所に提出します。本人を証する書面とは、運転免許証,パスポート、写真入りの住基ネットカード等です。
 その後、本人が登記を申請したことを再度確認するために、申請があったことの通知書が本人限定受け取り郵便によって申請人の住所地に連絡されます。申請人が住民票を移して3ヶ月を経過していないときには前の住所地にも連絡されます。申請人は連絡を受けたのち、郵便局に出頭して郵便局員に免許証などを提示して本人確認を受けた上で通知書を受け取ります。その上で通知書発送後2週間(海外在住者は4週間)以内に申請が真実であることを登記所に申し出れば、登記が受け付けられます。


 権利書や登記識別情報を提出できないときの本人確認として上述の手続が定められましたが、これではあまりに煩雑で時間もかかるので、資格代理人(司法書士など)が作成する本人確認情報を登記所に提出するか、公証人の本人確認によって上記の手続を省略できる規定も定められました。
 
 

 本人確認情報は、基本的には資格代理人(司法書士など)が登記申請人と面談して本人確認をしてから作成します。権利書や登記識別情報が無くとも、この本人確認情報と、印鑑証明書と免許書やパスポートなどがあれば登記申請を行うことができます。
現在では紛失などにより権利書や登記識別情報を提出できないときには、資格代理人に本人確認情報を作成してもらって、登記申請をすることが一般的です。
 
 
 

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