会社法440条に定められた株式会社の決算公告をインターネットでする会社が増えています。
インターネットで決算公告をするメリットは、ほかの方法に比べて公告費用が安くて済む点と、ほかの方法より閲覧が容易であり情報開示の方法として優れている
−会社の信頼性を高めることができる− という点にあります。
決算公告をインターネットで行う会社では、登記簿(登記事項証明書)に決算公告をするアドレス(URL)が記載されるので、容易に決算情報にアクセスすることができます。
インターネットで決算公告をする手順
1. 定款の変更/取締役会の決議
会社の公告の方法を電子公告にするか、会社の公告方法は官報か日刊新聞にして決算公告だけをインターネットで行うか、どちらかを選択 してください。それぞれ下の表にまとめたように長短がありますので、よくご検討下さい。
(非上場で小規模の会社の場合、会社の全ての公告を電子公告にするメリットはあまり無いでしょう。)
決算公告だけをインターネットで行うのは、会社法でいう電子公告(会社法2条34号)には該当しませんのでご注意下さい。
| 選択肢 |
登記 |
デメリット |
メリット |
1.
会社の公告をする方法として電子公告を選択する
|
「公告をする方法」を、「電子公告により行う」こととし、公告をするアドレス(URL)の登記をします。
決算公告とその他の公告のアドレスを別のものとすることもできます。 |
決算公告以外の法定公告については公告調査を受ける必要があります。この費用は現在13万〜20万円程度で、
日刊新聞に公告するよりは安いですが、官報への公告よりは高くつきます。(決算公告以外の公告をする予定がないならばデメリットとなりません) |
会社が合併・会社分割・資本減少などを行う際にする、債権者への個別催告は電子公告か日刊新聞の公告に代える
ことができます。
会社法201条で必要になる公開会社の新株募集通知は電子公告か日刊新聞の公告に代えることができます。
インターネットによる公告は情報開示の方法として優れてるという意見があります。 |
2.
会社の公告をする方法とは別に、決算公告のみをインターネットで公告する
(貸借対照表等の電磁的方法による公開)
|
「貸借対照表に係わる情報の提供を受けるために必要な事項」として、公告をするアドレスの登記をします。 |
|
決算公告以外の公告を官報で行うこととすれば、現在のところ電子公告より安くできます。
株主総会で定款を変更する必要がありません。 |
会社の公告を電子公告とする場合は株主総会にて、電子公告制度を利用する旨、定款を変更します。
決算公告だけをインターネットで行う時は、取締役会にて、その旨決議します。
↓
2. 登記の手続
先に決めた方法に従って登記を申請します。
このとき同時に新会社法で採用された新しい制度を利用するために定款の見直しをされてはいかがでしょうか?こちらもご参考にして下さい。
公告方法として電子公告を選んだ時は、登記簿(登記事項証明書)に次の例のような登記がされます。
この例では決算公告とそれ以外の公告のURLを別にしていますが、同一URLでもかまいません。
| 公告をする方法 |
官報および日経新聞に掲載してする |
電子公告の方法により行う
http://www.touki-no-rei.example.jp/koukoku/index.html
当会社の公告は、電子公告による公告をすることができない事故その他のやむを得ない事由が生じた場合には官報に掲載してする。
貸借対照表の公告
http://www.touki-no-rei.example.jp/kessan/index.html |
平成18年6月1日変更 |
| 平成18年6月8日登記 |
公告方法として電子公告を選ばず、決算公告のみをインターネットで行う登記をした時は、登記簿に次の例のように登記事項が追記されます。
貸借対照表に係わる
情報の提供を受ける
ために必要な事項 |
http://www.touki-no-rei.example.jp/
kessan/index.html |
平成18年6月1日設定 |
| 平成18年6月8日登記 |
↓
3. 公告の掲載
定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大会社にあっては、貸借対照表に加えて損益計算書)
を登記されたアドレスもしくはそこからリンクされたページに掲載します。公告のページはhtml形式のほか、pdf形式等の掲載も可能です。
公告すべき内容については、会社計算規則 第164条、171条〜176条に従ってください。
公開は定時株主総会の終結の日から五年を経過する日までの間継続して行わなければなりません。公告はだれでも自由に閲覧できるようにする必要があり、閲覧に会員登録を求めるようなことはできません。
決算公告義務のない会社
旧有限会社は会社法施行後も決算報告の義務はありません。
2006年5月に会社法が施行されてからは、証券取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない株式会社に決算公告の規定が
なくなりました(会社法440条4項)。 これは金融庁の電子開示・提出システム (EDINET) に財務内容を提供することの代替措置です。なお従前からインターネットで決算公告をしている会社は会社法施行後も
情報の開示性の観点から自社のサイトで財務内容の公開を続けているようです(このような会社では「貸借対照表に係わる情報の提供を受けるために必要な事項」の登記を廃止する必要があるとされています)。
ホームページを開いていない場合
自社のホームページを開いていない会社向けに、たとえば全国の商工会議所が運営する企業情報サイト ザ・ビジネスモールと提携し運営されている 決算公告モール がリーズナブルな価格でインターネットで決算公告を公開するサービスを行っております。
弊事務所からのご紹介の場合は、年間16800円の割引価格で決算公告を掲載することができます。
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